ロボドリルの熱変位補正機能について
2026/10/22
機能紹介
お使いのロボドリルで工作機械で要求精度の厳しいワークを加工するときに、機械の熱変位を心配して長時間の暖機運転を行ったり、小まめに加工寸法調整を行ったりしていませんか?ロボドリルDCシリーズでは熱変位補正機能を使用することで、簡単に安定加工を実現することができます。
目次
概要
熱変位とは?
物質にはその温度によって伸びたり縮んだりする熱膨張という性質があります。工作機械の構成部品の材質として一般的な鉄材の場合、長さ1mの部品が1℃の温度変化で12μm伸縮するとされています。工作機械においては温度変化に伴うワークと加工工具の相対位置の変化を熱変位と呼んでいますが、実際の工作機械は大きさも形状も様々な部品で構成されており、機械内の温度も一様でないことから、その挙動は非常に複雑です。工作機械が使用される製造現場では昼夜の温度差が10℃を超えることも珍しくありません。また、工作機械自体も動作速度や切削負荷によってはモータなどが高温になり、熱変位も非常に大きくなるため、加工精度を維持する上で熱変位対策は避けて通れない課題です。
熱変位を安定させる手段:暖機運転
熱変位は、機械の温度変化に伴って発生します。従って、機械が冷めた状態から動き出すと急激に熱変位が大きくなり、機械が温まりきると膨張した状態で安定するので、熱変位も一定になります。この性質から、精度が必要な加工を行う際は、事前に機械を一定時間動かし続けて温度を上昇させる「暖機運転」を行うのが一般的です。
熱変位補正機能とは?
熱変位補正機能とは、ロボドリルの動作による熱変位量を予測し、自動的に補正する機能です。ロボドリルの稼働状況から刻々と変化する熱変位量を独自のアルゴリズムで推定し、熱変位によって生じる寸法変化を制御側で打ち消すことで、安定した精度を出すことができます。始業時のコールドスタートや休憩時間後の稼働再開など、熱変位の変化が大きい場面においても安定した加工精度を維持できるようになり、暖機運転時間の削減にも繋がります。
熱変位補正機能の歴史
従来の熱変位補正機能
ロボドリルの熱変位補正機能は長年レベルアップを続けています。ロボドリルTiEシリーズ以降は熱変位補正機能を標準搭載し、主軸や各軸の稼働履歴をもとに熱変位の補正が可能となりました。ロボドリルDiBシリーズ以降からは、多数の温度センサを搭載した熱変位補正機能Ⅱ(オプション)を用意しています。温度センサによる実測に基づいて、熱変位を補正することができ、熱変位補正機能より安定した補正が実現可能となりました。
| 機能名 | どんな機能? |
|---|---|
| 熱変位補正機能 | ロボドリルTiEシリーズから標準搭載している熱変位補正機能です。 主軸や各軸の稼働履歴をもとに熱変位を補正します。 |
| 熱変位補正機能Ⅱ(オプション) | ロボドリルDiBシリーズから用意しているオプション機能です。 多数の温度センサを搭載し、実測した温度に基づいて熱変位を補正します。 標準搭載の熱変位補正機能より、安定した補正が実現できます。 |
DCシリーズにおける熱変位補正機能
DCシリーズは、機構部の改良によって熱変位そのものを低減し、さらに温度センサの標準搭載と独自アルゴリズムの刷新によって、温度変化に対する補正精度を飛躍的に向上させました。
下記グラフは、一般的な加工工場をイメージした運転パターンにおける、クーラントのON/OFFや室内温度変化の影響を比較したものです。補正OFFの状態では条件によって熱変位の傾向が大きく異なりますが、補正をONにすることでどの条件においても変位量が小さくなり安定していることが分かります。また、従来の熱変位補正機能では予測が難しかった稼働開始直後や休憩後の再稼働時の熱変位も、DCシリーズでは安定して補正出来ています。

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