IoT新機能: FIELD system Basic Package の特長と新機能について
FIELD system Basic Packageはお客様の業務改善を継続的に支援するデータ基盤として2023年より販売を開始し、ご好評をいただいております。今回、お客様の工場内の様々な設備との接続を可能とする機能を追加するとともに、ファナック商品との連携を強化する改良を実施しました。
FIELD system Basic Packageの特長
製造現場における業務改善は、設備からのデータ収集、見える化、分析、改善というプロセスとなります。そのため、様々な設備と接続が可能で、データを一元的に収集するための土台となるデータ基盤が必要となります。
FIELD system Basic Packageは業務改善に必要なデータ基盤です。様々な設備からのデータ収集が可能、収集したデータを分析し、生産性の向上、設備の予防保全など、スマートファクトリー実現に役立てることができます。
FIELD system Basic Packageは工場の様々な設備、設備を動かす人の作業データを収集します。
ITとOTを繋ぐことで、工場のデジタル化の目標を達成します。
データの収集、保存、活用を分離した構造であり、収集したデータを他のシステムに安全な状態でオープンに提供します。
データ収集
工場内の様々な設備からイーサネット経由でデータを収集します。
データ保存
2つのデータベースを搭載しています。
Common Database:
工場内の様々な設備データを標準化して整理して格納します。
Event Database:
収集データのカスタマイズが可能です。Common Databaseから抽出したデータや外部のデータを自由に格納します。(人・モノ・設備データ等)
データ活用

外部システムとの連携
OPC UAやREST-API, CSVを利用して外部でデータを活用できます。

ファナックCNCとの親和性
ファナックCNC搭載工作機械であれば稼働状態を細かく分類し、機械の停止理由やアラーム内容などが判ります。
1.簡単に設備からデータ収集、見える化可能
- 必要アプリ一式をプリインストール済み、オンプレミス運用可
- 3ステップで業務改善にすぐ使える設備データを収集開始
- 設備を選ぶだけで稼働監視画面を自動生成
- 6種の標準画面がすぐ使えて、設備の状態が見える化できる
*ファナック製CNC以外を搭載の設備や他社製設備に関しては、対応プロトコルによって接続手順が異なります
2.他社製設備からデータ収集可能
- 他社製設備からもデータ収集可能、メーカの違いを気にせずデータを利用可能
FIELD system Basic Packageの新機能
- ファナックCNCのサーボデータの収集とサーボデータ分析アプリとの連携が可能となりました。これにより、サーボデータ波形の可視化や分析ができます。
- ファナックCNCのプログラム転送およびCNCマクロ変数の読み書きが可能となりました。これにより、ファナックCNCをより便利に柔軟に活用いただけます。
- 工場内の設備で広く利用されているModbus/TCPを利用できるようになりました。Modbus/TCPに対応した設備からのデータ収集や制御を実現します。
- ファナックCNCのオプション機能である機械状態監視機能(ビジュアルアシスト)と連携ができるようになりました。工作機械の操作履歴やアラーム発生時の機械稼働データと動画を対比させ、異常発生時の経過分析ができます。
サーボデータ連携
概要
- AIサーボモニタ、サーボビューアへのサーボデータ供給データ基盤
効果
- AIサーボモニタは、FsBPで収集したサーボデータを利用し、機械の故障の予兆を検知
- サーボビューアは、本アプリで取得したサーボデータをダウンロードしてデータをグラフ描画・解析可能
- 複数台のCNCのサーボデータを一元管理し、さらにFsBPで取得した他のデータ(ワークIDや実行プログラム名など)と紐づけて管理可能
CNCプログラム転送、マクロ変数API

概要
- CNCへのファイル転送API
- CNCマクロ変数読み書きAPI(拡張API)
効果
- 管理者による認可アカウントのみ以下を実行可能
- CNCへのファイル転送API
- マクロ変数読み書きAPI
- FsBPと他システム(ファイル管理、生産管理)間でのデータ連携をより深く
Modbus TCP対応

概要
- Modbus TCPサーバ(スレーブ)機器を接続可能
効果
- Modbus TCP対応機器から継続的にデータ収集
- 収集したデータは時系列で記録/集計され、外部から利用可能
- Modbus TCP対応機器を外部I/F経由で直接制御
- MESからOPC UAで任意アドレス読書き
- 社内システムからHTTPSで任意アドレス読書き
機械状態監視(ビジュアルアシスト)連携

概要
- FANUC CNCオプションの機械状態監視(ビジュアルアシスト)機能と連携
- Factory Visualizerの画面でライブビューや操作履歴、録画再生が可能
効果
- Factory Visualizerで複数台の機械の状態を一元管理し、監視精度を向上
- 機械状態監視(ビジュアルアシスト)機能が収集したデータをFsBPのAPIを利用して外部で活用
FIELD system Basic Packageの商品形態と主な仕様
- FIELD system Basic Packageには、すべての機能がインストールされ買ってからすぐに使えるハードウェア版と、お手持ちのサーバに仮想マシンとして導入が可能な仮想マシン(VM)版の2つがあります。お客様の環境に合わせてご導入いただくことが可能です。
ハードウェア版 FIELD system Basic Package
FIELD BASE Pro 主な仕様 (最大50台接続)

項目 | 仕様 |
---|---|
CPU | Intel Xeon プロセッサ 4コア |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB |
寸法 | 幅 382 x 奥行 281 x 高さ 103 (mm) |
重量 | 約6kg |
消費電力 | 最大100w |
周囲温度 | 0~45℃ (動作時) -20~60℃ (停止時) |
周囲相対湿度 | 75%以下、結露なきこと |
設置場所基準 | IEC60664-1 汚染度2 (事務室など) VCCI クラスA |
仮想マシン(VM)版 FIELD system Basic Package
仮想マシン推奨要件(50台接続時)

項目 | 仕様 |
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ハイパーバイザ | VMware ESXi |
CPU | Intel Xeon相当 4仮想コア以上 |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | SSD 1TB以上 |
FIELD system Basic Package ソフトウェア 主な仕様
項目 | 仕様 |
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接続可能機器(弊社製) | FANUC CNC:(要イーサネット接続、詳細はお問い合わせください) FANUC Series 16i/18i/21i/30i/0i-B以降、FANUC Power Motion i-A FANUC ロボット:(詳細はお問い合わせください) R-30iB/R-30iB Mini/Mate 制御装置 |
弊社商品から収集可能なデータの例 | CNC工作機械: 実行中プログラム名、生産数、実行中G/M/Tコード、主軸回転数および負荷、アラーム、マクロ変数、PMC信号、サーボデータなど ロボット: 実行中プログラム名、生産数、サイクルタイム、アラーム、トルク、電流、軸位置、レジスタ値、I/O値など |
接続可能機器(他社製) | OPC UAまたはMTConnect接続をサポートするCNC工作機械、ロボット、PLC Modbus/TCP接続をサポートするPLCおよび設備 |
最短データ収集周期 | 1ms(弊社CNCサーボデータ)、100ms(弊社ロボット)、500ms(左記以外) |
対応データ入力形式 | MTConnect、OPC UA(UA4MT/umatiおよびEUROMAP 77/83対応)、Modbus/TCP、REST-API(HTTPS) |
対応データ出力形式 | OPC UA(UA4MT/umatiのMachineTool Basic Server Profile対応)、CSVファイル出力、REST-API(HTTPS) |
接続可能台数 | 5、10、20、50、100台(別途ソフトウェア年間利用ライセンス購入が必要、100台接続はVM版のみ) |
データの連携条件 | 表計算ソフト、BIツール、MES、ERPなど REST-APIまたはOPC UAをサポートするソフトウェア |
(2025年7月)