ロボット新機能:遠隔操作ロボット
ロボットの自動化が求められる作業として、火花の飛び散る研磨作業や鋭利なカッタによる切断作業、鋳造工程における高温の液体金属のノロ掻き作業など、過酷で危険な作業があります。しかし、これらの作業は、ワークの状態に応じ、微妙な力加減や繊細な動作が必要で、人の感覚に頼った作業となるため、単一動作のロボットでは実現できませんでした。
ファナックは、こうしたニーズに対応すべく、リーダロボットを人が感覚を大事に直接操作し、それと全く同じ動きを危険な場所にいる遠隔のフォロワロボットが忠実に再現する機能を開発しました。
また、フォロワロボットは作業対象物から受ける力を検知し、操作者はあたかも手元で力を受けているかのように感じることもできます。これにより操作者は安全な場所にいながら、ワークの表面を正確になぞって研磨したり、微妙な力加減が必要なノロ掻きを行ったりすることが可能になります。
新機能の特長
スムースな操作感
ハンドガイドを取り付けたリーダロボットを人が直接操作します。人が操作したリーダロボットの動きをフォロワロボットで再現します。フォロワロボットをまるで直接操作しているかのように操作可能です。
微妙な力加減の作業を実現
力センサを取り付けたフォロワロボットが作業対象物から受ける力を検知し、リーダロボットがそれを忠実に再現することで、作業者が作業対象物との接触や抵抗を手元で感じることができます。これにより微妙な力加減を要する作業を遠隔操作できます。
職人の手技を再現
フォロワロボットの軌跡、速度を記録し、あとから同じ動きを再生可能です。これにより熟練作業者はロボット教示をすることなく、自分の行った動きをロボットがそのまま正確に再現できます。
本機能は、実アプリケーション動作と合わせて、本年5月に開催のファナック新商品発表展示会に出展しました。
出荷開始時期:2025年8月
(2025年8月)