ロボットによる完全自動化を実現 板金工場
本社地区にある板金工場は、ロボットコントローラ用キャビネットの内製化のため、2000年に稼働開始しました。第1棟で板金素材の切断、曲げ、溶接、塗装の各工程をファナックロボットによる完全自動化を実現し、さらに第2、第3棟の増設と、生産能力アップと高効率化に取り組んできました。現在も第1棟のリニューアルによる生産性の改善に取り組んでおり、進化を続けています。
これまでの歩み
第1期 第1棟稼働(2000年~)
キャビネット製造の自動化はファナックにとって初めての試みでした。一般にキャビネットは設備と作業者がペアで製造する半自動が殆どで、これを完全自動化するためにファナックが持っているノウハウを駆使して立ち上げました。当時は設備レイアウトに依存する部品搬送の部分で効率が十分でなく、チョコ停への対応などで改善の余地がありました。
第2期 第2棟稼働(2011年~)
第1棟の反省を踏まえ、設備配置を見直し、併せて適切なストッカやバッファを設け「待ち無駄」を削減しました。また、ロボット内蔵ビジョンシステムの登場によって信頼性が格段に向上しました。さらに、サーボガン採用で溶接品質が向上し、ソリューションアームの採用によりロボット艤装トラブルが激減しました。
第3期 第3棟稼働(2016年~)
第2棟と同規模で生産能力25%増とコンパクトな自動化設備を実現しました。さらに設備内で発生する不良を削減するため、トレーサビリティを強化し、曲げ角度チェック、スタッド溶接モニタ、スタッド溶接位置検査、ケーブルクランプの溶接確認を加えて品質安定を図りました。
第4期(現在) 第1棟リニューアル稼働(2022年~)
「コンパクトな設備を最小限の人員で長時間稼働させる」を目標に、既存工場のボトルネック工程を分析し設備構成を見直して最適化を図りました。切断加工機を増やし、溶接工程は統廃合を行っています。曲げシステムは設備数を増やさずサイクルタイムを10%以上短縮しました。その結果、生産能力は第3棟より40%増を達成しています。また、周辺機器の無線化によるケーブルトラブルの回避や、金型清掃装置によるメンテナンスの自動化も行っています。
今後も最新技術を取り入れ、シンプル、省スペース、高生産性を図ってまいります。

板金工場第1棟全景