気候関連のリスクと機会
低炭素経済への移行リスク
種類 | 主なリスク | 主な取り組み |
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市場・評判 | 株主構成においてESG投資への関心が高い機関投資家の保有比率が高く、ESG投資拡大の影響を受けるリスクがあります。 | 積極的にESGの向上に取り組み、企業価値を高めていきます。 |
評判 | 本社工場(山梨県)が大雪の影響で被害を受けて納期の遅延が生じ、顧客から訴訟を受けるリスクがあります。 | 製造拠点を本社地区(山梨県)だけでなく、壬生地区(栃木県)、筑波地区(茨城県)、隼人地区(鹿児島県)に複数化してリスク分散を図っています。 |
気候変動の物理的影響に関連したリスク
種類 | 主なリスク | 主な取り組み |
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急性 | 台風や洪水により、サービスコールセンタの業務や保守部品出荷等のサービス業務が停止するリスクがあります。 | 従来のサービス拠点である日野支社(東京都日野市)に加えて、愛知県小牧市に新たなサービス拠点「名古屋サービスセンタ」を新設し、リスク分散を行っています。 |
急性 | 本社工場(山梨県)が富士山の裾野(標高約1,000m)に立地しているため、大雪などの影響によりトレーラで輸送されてくる灯油の供給が途絶え、工場が稼働停止になるリスクがあります。 | 近傍に敷設されたガス本管からの自社のパイプラインを敷設し、灯油から都市ガスへ切り替えを進めています。製造拠点を本社工場(山梨県)だけでなく、壬生工場(栃木県)、筑波工場(茨城県)、隼人工場(鹿児島県)に複数化してリスク分散を図っています。 また、除雪車の購入や立体駐車場の建設により、雪の影響の最小化に努めています。 |
急性 | 台風や洪水でサプライヤが被害を受けて調達が滞るリスクがあります。 | サプライヤに生産可能な複数の拠点があるかどうか確認し、無い場合はサプライヤに複数拠点による生産を要請したり、複数購買を推進したりするなど、気候変動による調達リスクの低減を図っています。 |
慢性 | 気温上昇により労働環境や生産環境にマイナスの影響があるリスクがあります。 | ファナックの本社地区(山梨県)は冷涼な気候環境下であるため一部建屋では冷房設備が不要でしたが、近年は徐々に気温が上昇しているため、エネルギー効率に配慮しながら建屋の空調設備の整備を行っています。 |
気候関連の機会
種類 | 主な機会 | 主な取り組み |
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製品・サービス | 自動車産業の気候変動対策により内燃機関から電気モータ駆動のEV車へ移行が進むことで、FA事業における主力商品の市場環境が変化する可能性があります。 | EV車への移行により、ロボットの適用範囲が一層広がり、商品の販売の増加が見込まれます。センサやカメラの搭載台数が増加し、ロボショット(電動射出成形機)の販売増が想定されます。 また、EV車に採用される高精度部品の増加、構成部品の金型加工需要の増加が見込まれる結果、この分野への工作機械の需要増に伴い、CNCの需要拡大も見込まれます。 |
製品・サービス | 欧州主導による温室効果ガス削減、化学物質管理など、省資源に関する環境規制の厳格化はコスト増に繋がる可能性があります。 | 省エネルギー商品、高エネルギー効率商品の開発に先行することで、欧州など先進国市場への販売拡大の機会となります。 |
製品・サービス | 平均気温の上昇による影響で工場内生産設備の稼動環境がより一層過酷になる可能性があります。また台風や気温上昇による影響で商品の輸送途上で衝撃や温度変化が増大するなど輸送環境が悪化する可能性があり、このような稼働環境や輸送環境の悪化に対応できる商品を求められるようになる可能性があります。 | 高性能、高信頼性を有した競争力のある商品開発を行っているため、過酷な稼働環境や輸送環境においても、高性能、高信頼性を維持できる商品を市場に提供することで商品競争力を高め、販売をさらに増加させることが期待できます。 |
製品・サービス | 環境負荷低減のために商品寿命が長い生産設備が求められるようになる可能性があります。 | 世界中に270ヵ所以上のサービス拠点を置いて、お客様がファナックの商品をお使いになる限り保守サービスを提供しています。製造現場において長期間にわたり保守サービスを提供することでお客様の要望に応え、サービス収益を増加させることが期待できます。 |